2014年9月17日水曜日

十石街道3 (高崎~佐久穂町)

2014日9月15日
かつての十石(じっこく)街道や旧国道をたどりながら、信州の佐久穂町を目指しました。



6時。 チャッピーに見送られて会社を出発。

7時45分。ほぼ、昨年6月に下見したルート(十石街道12)を通って鬼石に到着。
今日は山波川沿いを上って、途中から御荷鉾林道へトラバースしてみます。
セブンイレブンのちょっと北の満願地蔵尊から上り始め。

さっそく今日のこの先を暗示させるような道になってきました。

月吉という所で左に折れて、三波川を渡る。

諸松(もろまつ)集落も前回の法久(ほっく)と似たような、すさまじい急斜面にあります。

製図で使う勾配定規を写真に当ててみたら、三寸一分勾配(31%、約17度)ありました。

8時40分 御荷鉾林道に合流。
距離こそ短いが恐ろしく急な林道でした。
最後は押しましたね。

美原トンネルを過ぎたところで、カモシカがこちらを見つめていました。

法久(ほっく)峠のお地蔵さん。

法久集落へ下る途中で、地元と猟友会の人達が、
罠にかかったイノシシを仕留め、町に補助金を申請するため、写真を撮っていました。
「何しろ畑が荒らされるのでいたしかたない」と。
南無阿弥陀仏…

私も胴体に日付をスプレーされたイノシシと一緒に写真に納まり、
おばちゃんが手に持っているのと同じ栄養ドリンク(エスカップ?)をいただいてお別れしました。

9時50分 法久(ほっく)集落着。
前回同様、空中回廊に魅了させられます。
合成パノラマ写真でも伝えきれないのでこちらをご覧ください。ストリートビュー

山あり谷ありの道は、まだまだ続きます。

駐車場までの崖のような斜面に、何軒か家があります。

国道462号に出てみると、神流川が一部区間だけ凄い色になってましたが、
原因は解りません。

神流町に入り、麻生(あそう)の中島地区の旧道から。
対岸に二股の滝を発見。

10時35分 万場(まんば)に少しだけ残っている旧街道。

11時15分 相原の旧道。国道262号の高八木トンネルのおかげで、
旧道はほとんど自転車専用道路のようになっていました。

風が無く、薄日が射して最高のサイクリング日和。

かつての国道も今では苔生していい感じです。

学生時代、コンクリートの構築物を景観破壊だと目の敵にしていましたが、
真新しくて無機的だったコンクリートも、時間と共に馴染む物なんですね。
いずれ「かつて先人達が自然の脅威と戦った証」として、
土木遺産と呼ばれるようになるかもしれません。

11時45分 魚尾(よのお)を過ぎ、丸岩と呼ばれる巨大な岩。

尾附(おづく)の旧道下を流れる橋倉川。
神流町(旧中里村)に別れを告げて、上野村に入ります。

上野村役場がある乙母(おとも)地区。
新羽(にっぱ)だとか乙母だとか乙父(おっち)だとか、
このあたりの地名は独特ですね。


12時40分 上野村のバス停で昼飯。
釣り客が結構多いようです。


国道がトンネルと橋で一直線に駆け抜けるのに対し、
旧道は神流川の蛇行に沿って縫うように進みます。

日本人で良かったと思う瞬間。

13時30分 旧黒澤家住宅。
20年以上前に見学して以来。
今回はこの先に難所を控えているので泣く泣くパス。

坂下でいよいよ神流川と別れ、十石峠を目指し、
関所のあった上州最後の宿場、白井宿へと右の急坂を上ります。

白井宿への上りは距離こそ短いがとにかく急。
ルートラボによると部分的に27%くらいあります。

旧十石街道はこれを直進。

この先は自転車は無理。それに、途中で消えているような…。

14時10分 再び下って、林道矢弓沢線を上りなおします。
この林道は途中から旧街道とほぼ同じルートをたどります。
今日最大の山場、十石峠へ、いざっ!

急だ。歩いているのとほとんど変わらない速度。
25000分の1の地形図は途中で道が消失。
自分が今どの辺にいるのか分かりません。読図力がまだまだだな~。

切り通しに残る街道の痕跡。

「いよいよダメだ」と自転車を押して歩いたら、数十メートルで緩やかに。
どうやら勝負あったという感じです。

15時50分 国道との合流地点。
国道は途中が崩れているようで、通行止めのバリケードがありました。
旧十石街道という点線が気になりますが…

合流地点からは緩やかなアップダウンで快適。

峠直前、最後の上り。だいぶ霧が濃くなってきました。

16時20分 十石峠着。

今日はこういう顔。
2005年に佐久町と八千穂村が合併して、佐久穂町になったそうです。
しかし、年取ると親父に似てくるなー。

小海線の海瀬(かいぜ)駅を目指して下ります。

17時 人里に下りてきてホッ。
蕎麦の畑に信州を感じます。

信州の里山風景


最後まで旧道にこだわって。
想像以上に感動しちゃったな-。

17時40分 無人で不思議なアプローチの海瀬駅に到着。
輪行(小海線、長野新幹線)でたちまち高崎に帰ってきてしまいました。

高崎-海瀬間の走行距離 111.3Km 走行時間 7時間48分
所要時間 11時間40分 上りの獲得標高 2096m

勾配が急なので、距離以上に疲労感充実感を感じた秋の1日でした。